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エジンバラ「まほろばのこだま」Cベニュー公演、劇評
ブライアン・G・クーパー 2005年8月8日(月)
西欧でよくある小さなステージの人形劇とは違う、日本の人形劇--あたかも目に見えないかのように黒い衣装をまとった人形遣いによる人形劇は劇場全体をイリュージョン(幻想)に包み込む大規模なパフォーマンスを見せてくれます。
東京の劇団「かわせみ座」は大変よくできた幻想的な人形たち(マリオネット)を上手に操作し、見事にこれを実証しました。日本の民話に登場する精霊や動物たちを表わした人形たちは、色とりどりで美しく、丁寧に作られており、伝統的なわらべうたが聞こえる中、シンプルな舞台セットの上を生き生きと動き回りました。
7つの小さな物語の中で、作者・人形操り師である山本由也と益村泉は愛らしい花鬼たち、子供たちと遊ぶ面白い座敷わらし、羽で飛ぶ山の神様たち、若い女性に変身するきつねなどの不思議な世界を魔法のように作り上げました。とりわけ大詰めの雪おおかみと雪女は圧巻です。佐藤卓三のテンポのよい監督技術や、若い小暮絹誉、千野ありさ、飛翠たちが妖精の人形たちの中を可愛らしく動くことで、全ての年齢の人たちが楽しめる、稀な作品に仕上がっています。
エジンバラガイド・コム edinburghguide.com
07/08/2005
まほろばのこだま 変化のあるショー
批評:Ksenija Horvat
まほろばのこだま=「Where Spirits and Fairies Dwell」は、この夏、フリンジにやってきた色とりどりのパフォーマンスの中でのベスト・チョイスとはならないかもしれませんが、すべての子供たち、そして子供の心をもったすべての人たちにぜひとも観てほしい作品です。主役である人形たちと生の役者たち、この日本の民話をもとにした不思議なストーリーは、その作りも優しく、心に暖かく、このショーが終わるまでに目をうるませずに劇場を去ることはできないでしょう。
演出家、高畑勲(日本のスタジオ・ジブリの映画監督)は、技術効果を最小限にし、その代わり、操り師である山本由也(この驚くべき人形たちの作り手でもある)と益村泉、そして役者の小暮絹誉、千野ありさ、ひすいによって観客の心をつかみとることをしました。つつましやかであると同時に、高度な技術力をもって、かわせみ座は人形たちに息を吹き込み、楽しい世界を創造しました。そこでは、不思議の世界と現実世界が自然に溶け合い、動物や人間や精霊たちがお互いにひとつの繊細な世界を織り上げています。
まほろばのこだま=「Where Spirits and Fairies Dwell」はCvenueに隠れている、小さくて純粋な宝物で、あなたに発見されるのを待っています。あなたが何歳であろうとも心の中にあるインナー・チャイルドを呼び覚まし、おおらかにそして誇らしげにそれを見せたくなるような、そんな気分にさせてくれます。
*劇場批評からのメモ:日本のスタジオ・ジブリは優秀なストーリーとアニメーション技術で多くの有名なアニメーションフィルムを製作しています。この金曜日、当編集者はかわせみ座の8インチ(20cmくらい)のパック(いたずら好きの妖精)に出会いました。いたずらっぽくて誘惑的で、私はすっかり魅了されてしまいました。
スリーウィークス ThreeWeeks 28/08/2005
シアター・レビュー
私は、いわゆる普通の人形劇を想像していました。ところが、このまほろばのこだま=「Where Spirits
and Fairies Dwell」は、もっと想像を超えたものでした。
人形のデザインが優れているということだけではなく、人形の操り方も秀逸なものでした。イタチの動きにしろ、へまばかりの花鬼の自然な動きにしろ、それは特別高度な技術があってできることです。そのうえ、言葉もあらすじといったものもなく、ただ人形たちに驚くばかり。残念ながら、子供たちにはこの舞台を1時間見続けるのはちょっとたいへんかもしれません。もしあなたがこれまで一度も見たことがないような人形劇を期待するのならぜひ見ていただきたいと思います。ただし、日本の童話のファンタスティックな世界を期待しているならあまりお勧めしません。 |
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